中にはアスベストの使用が認められている国も

アスベストを含む製品の使用は、世界的にみると禁止している国が多い状況です。しかしながら、中にはアスベストの使用が認めている国があります。

そのような国から製品を輸入した場合、製品の中にアスベストが含まれていることがあり、気がつかないうちに法律違反となりかねません。

無用なトラブルを防ぐためにも、輸入に関するアスベストの規制をあらかじめ確認しておきましょう。

アスベスト含有率0.1%以上の製品は輸入禁止

2006年9月1日より、日本ではアスベスト含有率が0.1%を超える製品の製造、輸入、譲渡、提供、使用が全面的に禁止されています。

アスベストの輸入が禁止されている理由は、日本国内でアスベストの製造や使用などを禁止しているにもかかわらず、海外からアスベストを含む製品が日本国内で流通すると、アスベストを原因とする健康被害が発生する可能性があるためです。

アスベストが含まれている可能性がある製品
アスベストは耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性に優れていることから、さまざまな製品に利用されてきました。

過去にアスベストが含まれていた主な製品としては以下のものがありました。
・成形板
・摩擦材(ブレーキパッドなど)
・接着剤(高温下で使用される製品用)
・耐熱・電気絶縁体
・シール材(ガスケットやパッキン)
・その他耐熱性の高い製品(ジョイントシート、実験用金網など)

海外から輸入する製品はアスベスト含有率が0.1%を超える場合も

海外から製品を輸入するにあたって注意したい点は、アスベスト含有率が0.1%を超える製品が含まれている場合がある点です。

主な製品としては、先の項目の「過去にアスベストが含まれていた主な製品」で紹介しています。

そのような製品は、海外の一部の国では輸出の制限がありませんが、日本国内ではアスベストの規制対象となるため、輸入すると違法となります。

アスベスト含有率が0.1%を超える製品を輸入しないようにするためには、輸出元に対してアスベストが含まれていないことを証明してもらうことが効果的です。

例えば、製品にアスベストが含まれているかどうかを分析してもらったり、製品にアスベストが含まれていない旨の証明書を添付してもらったりする方法があります。

アスベストが含まれるとみられる製品を輸入する場合は、無用なトラブルを防ぐためにも、製品に含まれるアスベストの含有状況を確認しましょう。

アメリカではEPAの承認を得ればアスベスト製品が使用可能

世界の多くの国々ではアスベストの使用を禁止していますが、アメリカなど、一部の国ではアスベストの使用が認められています。

アメリカでは段ボールやフローリングフェルトなど、6種類の製品についてはアスベストの含有が認めていませんが、自動車部品に使用されるブレーキパッドやガスケット、セメントなどの製品は、EPA(米国環境保護庁)の承認を得れば、アスベストの使用が認められているのです。

そのため、アメリカから製品を輸入する場合、日本の基準値を超えるアスベストが含まれている可能性がある点に注意が必要です。

まとめ

日本ではアスベストの使用が禁止されているため、それが当たり前の状況となっています。

しかしながら、世界に目を向けるとアスベストの使用が許可されている国もあります。日本の常識をそのまま世界にあてはめて物事を考えてしまうと、気がつかないうちにアスベストを含む製品を輸入することにもなりかねません。

日本において、過去にアスベストが含まれていた製品は、海外では現在でもアスベストが含まれている可能性があります。そのような製品を輸入する場合は、アスベストが含まれていないことを確認し、日本国内でのアスベスト被害の発生を防ぎましょう。

(画像は写真ACより)

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