アスベストが含まれている建物を調査する業務は重要

アスベスト関連の作業を行うにあたってはさまざまな資格を必要としますが、必要な資格として「建築物石綿含有建材調査者」があります。

過去に建てられた建築物にはアスベストが使用されているものもありますが、建物の老朽化にともなって今後は解体する機会が増えるため、健康被害が生じる可能性も十分に考えられます。

アスベストに関する健康被害を防止するためにも、建築物石綿含有建材調査者の資格は必要不可欠といえます。

建築物石綿含有建材調査者とは?

建築物石綿含有建材調査者の職務は、建物にアスベストが含まれているかどうかを調査することです。

過去、とりわけ1970年代から1990年代にはアスベストを使用した建物が多数建築されましたが、それらの建築物は今後老朽化が進むために解体される機会が多くなります。

それにともなって、建物を解体するときにアスベストが飛散する可能性が高まり、作業者を中心としてアスベストの健康被害が生じることも考えられます。

厚生労働省が2014年に公表した「建築物石綿含有建材調査マニュアル」によると、2014年の時点でアスベストを含む可能性のある建物は約280万棟と推計されており、それらの建物の解体がピークとなるのは2028年前後とみられています。

参考:厚生労働省 建築物石綿含有建材調査マニュアル
http://www.mlit.go.jp/common/001064663.pdf

建物にアスベストが含まれているかどうかを調べるためには専門的な知識が求められるほか、調査において正確性を重視するために精密な作業が求められます。

アスベストによる健康被害を防ぐためにも、建物にアスベストが含まれているかどうかを正確に判断する調査者が求められているのです。

建築物石綿含有建材調査者の資格について

建築物石綿含有建材調査者には2つのコースがあります。1つは座学のみの「建築物石綿含有建材調査者コース」、もう1つは座学のほかに実地研修も行う「特定建築物石綿含有建材調査者コース」です。

2種類の講義とも、以下の内容を学びます。

第1講座 建築物石綿含有建材調査に関する基礎知識
第2講座 石綿含有建材の建築図面調査
第3講座 現場調査の実際と留意点
第4講座 建築物石綿含有建材調査報告書の作成
第5講座 成形板等の調査
(引用:国土交通省 
建築物石綿含有建材調査者制度等について)

上記の内容を学ぶことによって、アスベストに関する法令やリスク、建物の構造や建材に関する基礎的な知識、解体作業前に実施する事前調査の内容を理解することができます。

また「特定コース」においては、上記の講義に加えて実際の建物を使用して調査の方法を習得します。

「建築物石綿含有建材調査者コース」は講義と修了試験を含めて3日間にわたって実施され、「特定建築物石綿含有建材調査者コース」は講義、実地、修了試験を含めて5日間にわたって実施されます。

いずれのコースとも、試験に合格することで修了証明書が交付されます。修了証明書の有効期間は5年間で、それ以降も作業に従事する場合は更新する必要があります。

受講資格について

建築物石綿含有建材調査者の受講資格を得るためには、学歴、または職歴に応じて一定期間の実務経験年数を経る必要があります。

学歴不問でも講習の受講は可能ではありますが、その場合は実務経験年数が11年以上必要となります。

また、学歴によって実務経験年数は変わりますが、実務経験年数が最も短いのは、大学で建築に関する課程を修めて修了した場合で実務経験年数は2年以上です。

なお、石綿作業主任者技能講習を修了した人など、一定の資格の所有者や職務の経験者に関しては実務経験がなくても受講資格が得られます。受講資格の詳細については、日本環境衛生センターのホームページを参照してください。

参考:日本環境衛生センター 建築物石綿含有建材調査者講習
https://www.jesc.or.jp/training/tabid/129/Default.aspx

建築物石綿含有建材調査者は専門性が求められる資格であり、講習期間は内容によって2~3日に及びますが、アスベストによる健康被害の拡大防止を踏まえれば、日数をかけて学び、資格を取得する価値がある内容となっています。

講習で学んだ内容を活かし、アスベストの健康被害防止に努めていきましょう。

(画像は写真ACより)

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