目に見えないほど細かく、飛散しやすいアスベストアスベストの性質は、目に見えないほど細かい鉱物繊維であること、周囲に飛散しやすいほかにも、肺の中に入り込むと肺に病気が生じる可能性があることです。

アスベストを原因とした健康被害は避けなければなりませんが、建材に使用されているアスベストには、表面に露出していて飛散しやすいものや、建材の中に含まれていて飛散しにくいものもあります。

アスベストが使用されている建材の種類に応じてレベル分けを行うことで、適切な対策が可能となり健康被害の発生を予防できます。

アスベストをレベル分けすることで健康被害を防止かつて建材の材料などに用いられたアスベストは、耐火性や耐久性に優れた性質を持っていることから広く利用されてきました。

しかしながら、アスベストの繊維は目に見えないほど小さいこと、そしてアスベストの繊維を吸い込んでしまうと肺の病気にかかる可能性があるため、現在ではアスベストの使用は禁止となっています。

なお、過去に建築された建物にはアスベストが使われているものが多くあることから、建物を解体する場合にはアスベストが飛散する可能性があり、健康被害が生じることも考えられます。

アスベストによる健康被害を防ぐため、建設業において労働災害の防止に努める団体「建設業労働災害防止協会」はアスベストの粉じんの発生しやすさを意味する「発じん性」に基づいてアスベストのレベル分けをしています。

発じん性が非常に高い「レベル1」アスベストのレベルは1~3に分けられており、危険性が最も高いのがレベル1、危険性が比較的低いのがレベル3となります。

レベル1は発じん性が非常に高い状態です。建材の種類は石綿含有吹付け材であり、建材に直接アスベストが吹き付けられている状態であることから、アスベストが飛散しやすくなっています。

吹付け材に含まれるアスベストの飛散を防ぐためには石綿含有吹付け材の除去作業を行う必要がありますが、その作業を行うことによって周囲にアスベストが飛散しやすくなります。

レベル1の建材を取り扱う作業を行う際には、アスベストに対応した防じんマスクと保護衣を着用し、作業場所からアスベストが飛散することのないように隔離を行い、アスベストの対策を万全なものにします。

発じん性が高い「レベル2」レベル2は、レベル1ほどではないものの発じん性が高い状態です。建材の種類は石綿含有保温材、耐火被覆材、断熱材があります。

保温材はボイラーやその配管などに張り付けられているほか、耐火被覆材は鉄骨の建築物の梁や柱などに張り付けられています。また、石綿を含む断熱材としては、屋根用折板石綿断熱材や煙突用断熱材があります。

これらの建材の中にはアスベストの含有量が高いものもあり、アスベストが飛散してしまうと健康被害が生じやすくなります。

レベル2の作業を行う場合もアスベストが飛散しないよう十分な対策を行わなければなりません。

発じん性が低めの「レベル3」レベル3は発じん性が低めとなっています。建材の種類は成形板などその他の石綿含有建材となります。

レベル3の建材は、レベル1や2の建材と比べると石綿含有率が低いこと、また、建材の内部にアスベストが使用されていることから、通常はアスベストが飛散する可能性は低くなっています。

ただし、レベル3の建材を解体する作業を行う場合、建材の内部に含まれるアスベストが飛散する可能性があることから、作業場所を散水してアスベストを飛散しないようにする「湿式作業」を行います。

また、防じんマスクを着用して体内にアスベストが入り込むのを防ぎます。

アスベストを含む建材を取り扱う作業を行う場合、危険性を伴うことになりますが、建材の種類によって危険性が非常に高いものがある一方で、危険性が比較的低いものもあります。

それぞれの危険性に応じた対策を講じることで、アスベストを原因とする健康被害を防ぎましょう。

(画像は写真ACより)

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