調査票の内容を理解してアスベストによる被害を防ごう住宅のアスベスト調査を依頼し、専門の業者による調査が終了すると調査票が交付されます。
調査票にはさまざまなことが書かれていますが、調査票の内容を理解することによって、住宅でのアスベストの使用状況を把握できます。
アスベスト調査票に記載されている内容を理解して、アスベストによる健康被害の防止に役立てましょう。
建築物の概要アスベストの調査票に記入する内容としては「建築物の概要」があり、以下の項目について記入します。
・建物の名称
※建物が棟ごとに分かれている場合は棟の名称も記入
・建物の所在地
・建物の所有者
・所有者の住所と連絡先
・建築物の用途
・竣工年
・増改築の有無
・建築物の構造
・敷地面積
・延床面積
建物の概要欄には、建物に関する基本的な内容を記載します。
竣工年が明記されていることで、アスベストの使用が認められていた時期に建てられたのか、それともアスベストの使用が禁止されてから建てられたのか、ということを判断できます。
さらに、増改築を行っていた場合は、増改築時に使用した建材の種類によってはアスベストが含まれる可能性があるため、アスベストが使用されているかどうかの目安となる場合があります。
今回の調査の概要今回の調査の概要では、以下の項目を記入します。
・調査会社名
・調査会社の連絡先
・調査者氏名
・調査日
・分析会社名
・分析会社の連絡先
今回の調査の概要には、調査会社が調査を行った場合に、誰が、いつ調査を行ったのか、ということを記載します。また、調査において建材から試料を採取し、その試料を分析調査した場合は、分析会社名も記載しておきます。
調査会社と分析会社については連絡を取れるようにするために、会社名のほか住所と電話番号も記入します。
過去の調査歴過去の調査歴として、以下の内容を記入します。
・調査時期
・調査会社名
・分析会社名
・調査報告書の有無
・アスベスト処理歴
・改修工事歴
過去の調査歴には、過去に調査を行った会社名や分析会社名を記入するほか、過去に調査を行った時期、調査報告書の有無も記入します。
そのほか、過去にアスベストの処理を行ったことがある場合は、アスベストの処理をいつ行ったのか、また、アスベストの処理は、除去、囲い込み、封じ込めのうち、どの方法で行ったのか、ということも記載しておきます。
改修工事を行ったことがある場合には、いつ行ったのかを記入します。
調査内容調査内容としては、以下のものを記入します。
・部屋名
・部位
・建材の名称
・建材のアスベストレベル
・調査手法
・分析結果
・劣化度
・使用頻度
部位の例としては、柱、はり、天井、壁面などがあります。建材は名称のほか、アスベストレベルも記入しておきます。
調査手法は「目視」、「分析」のいずれかを記入します。劣化度は「劣化なし」、「やや劣化」、「劣化」のいずれかを記入します。やや劣化とは、劣化よりも劣化度が低い状態を指します。
使用頻度とは建物が使用される頻度のことを指し、「高い」または「低い」と記入します。使用頻度が高い建物ほど、早めの対策が必要です。
リフォームや解体時に調査票を活用アスベストの調査後に交付される調査票は、住宅におけるアスベストの使用状況を明確に示すものです。
また、アスベストの調査票は建物のリフォームや解体時にも役立ちます。
リフォームや解体を行う場合には、これまで使用されてきた建材を取り払う作業が行われますが、調査票があることによって、どの部位にアスベストを含んだ建材が使用されているか、ということが一目で分かるため、アスベストの飛散防止やばく露対策を行いながら作業を進めることが可能となります。
このように、アスベストの調査票は解体を伴う作業において有効に活用することができるのです。
アスベストの調査を依頼し、調査が終了した後は、調査票の内容を確認しましょう。調査票には調査の結果が詳しく載っているので、自宅で使用されているアスベストの状況を把握するのに最適です。
(画像は写真ACより)