石綿作業主任者とは

石綿作業主任者は、厚生労働省主管の公的資格で、石綿等を使用した建築物の解体等の作業だけでなく、その他の石綿等の取扱作業においても、これを選別し、湿潤化(とにかく水をかけて、飛散を防止する)、隔離、立ち入り禁止区域の決定等の指揮や、局所配置装置等(屋内で石綿を取り扱う時に必要な設備)、保護具の使用状況を監視する仕事です。

実際のカリキュラムは以下の通りです。

1. 石綿作業主任者技能講習の申し込み方

石綿作業主任者になるには、技能講習を受講し、その後に実施される修了試験に合格する必要があります。ちなみに修了試験の結果は、試験修了30分後ぐらいに発表され、その場で、カード型の修了証が発行されます。
①まず、東京労働基準協会連合会(東基連:とうきれん)のH Pにアクセス。
https://www.toukiren.or.jp/subject/guide.php?sub=48&sc=

②日時を選択して、申し込むと東基連】講習会『仮申込み登録』のお知らせ(自動配
信メール)が届きます。

③メールに記載されている振込先に入金をします。
講習会費:12,600円(消費税込み)
石綿作業主任者テキスト:1,980円(消費税込み)
の計14,580円(1名当り)と振込代が必要です。

④受講票・正式受講申込書等が郵送されてきます。
受講会場の案内等も同封されてきます。受講票、申込書には写真の貼付が必要です
ので、受講当日までにご用意してください。(証明写真ボックス等にあるサイズで
す。)
ちなみに私は、新小岩駅が最寄りの東京労働基準協会連合会の安全衛生研修センタ
ーで受講しましたが、駅から徒歩20分近くかかりますので、ご注意ください。
(受講が義務付けられている資格なので、一定以上遅れると受講できません)
安全衛生研修センタ
ー

2.受講資格

受講資格に特に制限はないようですが、18歳未満の人は労働基準法の年少者労働基準規
則によってアスベスト関連の作業が認められていないことから石綿作業主任者の講習を
受けることができません。
私が受講した時の会場は、全体で50人ぐらい受講されていました。年齢層はバラバラ
で、20歳前後のような風貌の方もいらっしゃいましたし、60代の雰囲気の方もいら
っしゃいました。女性も5名ぐらいいらっしゃったように思います。業種はアスベス
ト除去や、解体事業の方だけでなく、アスベスト関連のメーカーの社員さんもいらっし
ゃったようです。

3.講習内容

2日間に渡って行われる講習は、3名の講師が登壇されました。作業環境の改善方法に関する知識と関係法令は労働安全コンサルタントの先生で、この方の人間味溢れる復習コーナーのおかげで、修了試験に受かった気がします。2日目の保護具に関する知識はなんと、呼吸用保護具2大メーカーの教育部の方でした。実物を持ってきてくださっていたので、すんなり知識が定着化しました。そして、最後は健康障害及び予防措置に関する知識では現役の産業医(医師)が登壇され、中皮腫等の一般的でない病気の内容等を分かりやすく指導して頂けました。正直、退屈な話を我慢して聞き、試験に出るところだけ、マーカーを引いていればいいんでしょ?程度の期待感で受講しましたので、講師の質の良さに驚きました。これで15,000円は安いと思います。
また、新型コロナ感染対策として、手指消毒、マスク着用、換気はもちろん、受講者数を半減させ、受講の際の間隔を空けるため、指定席での受講等が徹底されており、安心して受講することができます。

4.修了試験

修了試験は、2日目の講義が終わった10分後ぐらいの15時30分から始まりました。問題は20問あり、全て3択問題です。合格基準は70点以上とのことでしたが、各科目の足切りがあるので、満遍なく得点する必要があるようです。
試験問題も回収されるため、この辺りのルールは変更されるかもしれませんので、あくまでも、参考情報に留めておいてください。
実際の試験は、講習をしっかり受けて、アンダーラインを引いたところを3回ぐらい読み直せば、大丈夫なレベルです。
私が受講した時は、参加50名中、50名が合格していましたので、合格率は高い方と推測されます。
試験結果

まとめ

以上が、石綿作業主任者資格の受講の流れです。受講してみると分かりますが、知識だけと侮るなかれ、豊富な事例がたくさん飛び出す、アスベスト除去に関わる方、必須の内容です。石綿取扱作業従事者の資格取得に4.5時間もかけるのであれば、11時間程度かかりますが、石綿作業主任者の資格を取得した方が、取得後に知識を活用する場面が格段に増えると思います。

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