ほかのがんと比べると、肺がんにかかる人は多い傾向

がんにはさまざまな種類がありますが、肺がんはほかのがんと比べると罹患数も死亡数も高い傾向にあります。

肺がんの原因は喫煙が最も多いですが、アスベスト曝露が原因で肺がんにかかるケースもみられます。肺がんで健康を損なわないようにするためには、アスベストの作業現場で曝露防止対策を行うことが重要となります。

肺がんとは?

肺がんとは、肺に発生する悪性腫瘍のことです。

主な症状としては激しい咳や血痰が出るほか、息切れ、胸の痛みが生じることもあります。なお、肺がんはある程度進行するまでは症状が出ないことが多く、胸部エックス線検査で肺がんが見つかるケースもみられます。

肺がんの原因で最も多いのは喫煙です。喫煙によって肺がんが発生する可能性は、喫煙している期間が長いほど、そして1日当たりのタバコの本数が多くなるほど高くなります。

特に、喫煙期間が長いうえに1日当たりのタバコの本数が多いと肺がんにかかるリスクがますます高まるので注意が必要です。

肺がんはアスベストが原因で発生することも

そのほか、アスベストが原因で肺がんが発生することもあります。

アスベスト曝露してから肺がんが発生するまでの期間は15~40年程度であり、潜伏期間が長いことが特徴です。また、潜伏期間が15~40年と開きがあるのは、アスベストの曝露量の合計と関連があります。

肺がんが発生しやすくなるのは、アスベスト曝露の期間が長い場合、あるいは、アスベスト濃度が高い現場で作業を行う機会が多い場合です。

アスベスト曝露の期間が長いことにくわえ、作業現場のアスベスト濃度が高ければアスベストの曝露量が増えることになるため、肺がんにかかりやすくなります。

喫煙者は肺がんのリスクが相乗的に上昇

また、アスベストに関連する業務にたずさわっている作業者で、なおかつ喫煙者である場合は肺がんのリスクが相乗的に上昇しやすくなることに注意が必要です。

肺がんのリスクが高まるケースとしては「喫煙期間が長く、1日当たりのタバコの本数が多い場合」と「アスベスト曝露の期間が長く、作業現場のアスベスト濃度が高い場合」であることを先の項目で説明しました。

つまり、肺がんは複数の要因が掛け合わされることによってリスクが高まることになります。

長年喫煙していて日頃からタバコの本数が多いうえに、アスベスト濃度の高い作業現場で作業を行っていると、肺がんのリスクが大幅に高まり、潜伏期間が短くなって比較的早い時点で肺がんにかかることも十分にあり得るのです。

アスベストによる肺がんのリスクを防ぐために

アスベストによる肺がんのリスクを減らすためには、タバコの本数を減らすか思い切ってタバコをやめること、そして、作業現場においてアスベスト対策を万全に行うことです。

重労働に励んでいると、休憩中の一服が至福のひとときになるものですが、健康は何者にも代えがたいものといえます。思い切ってタバコをやめることが肺がん対策としては最適ですが、難しい場合は意識的にタバコの本数を減らしていくことも大切でしょう。

また、アスベスト濃度が高い現場では、作業スペースの隔離作業、集じん・排気装置の設置、作業スペースの外側で防護服を着脱するためのセキュリティーゾーン設置など、アスベスト曝露防止対策を行うことによって、曝露量を少しでも減らすことができます。

肺がんにかかると、息苦しいうえに咳が止まらず、場合によっては血の混じった痰が出てしまうこともあり、大変な苦痛を伴います。

そのような苦痛に見舞われないためにも、肺がんが発生するリスクを少しでも減らしていくことが大切です。

(画像は写真ACより)

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