3種類のレベルのうち、中間にあたるレベル2アスベストは粉じんが発生する状況である「発じん性」に応じてレベル分けされています。特に発じん性が高い状態は「レベル1」であり、発じん性が低い状態であれば「レベル3」となり、レベル2はそれぞれの中間となります。

レベル2のアスベストはどのように利用されており、どの程度の危険性があるのでしょうか。今回はアスベストのレベル2についてみていくことにします。

アスベストのレベル2とは?アスベストのレベル2とは、レベル1ほどではないものの発じん性が高い状態です。そのため、危険であることには変わりありません。

レベル2に当てはまる建材の種類にはアスベストを含む保温材や耐火被覆材、断熱材があり、いずれの建材もアスベストの耐火性や耐熱性が活かされています。

アスベストを含む保温材は、原料に天然の鉱物とアスベストが使用されており、石綿含有けいそう土保温材、石綿含有けい酸カルシウム保温材、石綿含有バーミキュライト保温材、石綿含有パーライト保温材があります。

そのほか、天然の鉱物を含まず、成分のほとんどをアスベストで占める石綿保温材もあります。

保温材が使用されているのは、ボイラーやタービン、焼却炉など熱を発する機器や、ボイラーなどで発生した熱を運ぶための配管であるエルボやダクトなどです。

アスベストを含む耐火被覆材には、石綿含有けい酸カルシウム板第2種と石綿含有耐火被覆板があります。

石綿含有けい酸カルシウム板第2種は板状であり、そのままの状態で鉄骨造の建物のはりや柱、壁面などに使用されたほか、パネルの表面材や化粧板の機材としても使われました。

石綿含有耐火被覆板は鉄骨のはりや柱のほか、エレベーターの周辺に化粧目的として使用されました。

アスベストを含む断熱材としては、屋根用折板石綿断熱材と煙突用断熱材があります。それぞれの名称の通り、屋根用と煙突用の断熱材となりますが、屋根用折板石綿断熱材は断熱効果のほか結露も防止します。

また、アスベストを含む断熱材は、アスベストの含有率が90%以上と非常に高いことが特徴です。

レベル2で行う作業の内容と必要な保護具は?レベル2で行う作業は、アスベストを含む保温材、耐火被覆材、断熱材の除去作業とアスベストの囲い込み、封じ込め作業です。ただし、囲い込みと封じ込めの作業はレベル1のアスベストを除きます。

レベル2のアスベストの除去作業は、原則としてレベル1の除去作業と同様に、アスベストが飛散しないように作業場所を隔離して行いますが、配管保温材を切断するときにアスベストが含まれていない部分を切断するなど、アスベストが飛散しない方法をとれば、作業場所の隔離は不要となる場合があります。

レベル2で使用する保護具は、レベル1で使用する全面形プレッシャデマンド型エアラインマスク、または電動ファン付き呼吸用保護のほかにも、「全面形防じんマスク」と「半面型防止マスク」も使用可能です。

全面形防じんマスクとは、顔の全面を覆うことができるマスクで、空気の取り入れ口にはフィルターがセットされており、マスク内部へのアスベストの侵入を防ぎます。

半面形防じんマスクとは、鼻と口の部分のみ覆うマスクで、全面形防じんマスクと同様にフィルターがセットされていてアスベストが入り込まない仕組みとなっています。

アスベストの飛散量が多い場合は、レベル1で使用する保護具、または全面形防じんマスクを使用し、飛散量が比較的少ない場合は半面形防じんマスクを使用します。

保護衣はレベル1と同様に全身を覆うタイプのものを着用し、シューズカバーと手袋も合わせて着用します。

アスベストのレベル2は、レベル1と比べるとアスベストの飛散量は抑えられているものの、飛散量そのものは多いことから、飛散防止の対策を十分に行うことが必要です。

(画像は写真ACより)

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